numacbooks

読書メモ。流れゆく感情や気付きを少しでも留める。

読書_小説

当確師

前半の選挙の方が、様々な画策があって面白かったな。 後半の選挙は、黒幕の方が一枚上で当確師いなくても勝てたんじゃないか??と。 だが、この職業に目をつけることが面白い。 カネこそバラ撒けないが、クリーンに闘うこともないと思う(笑)。 そんなと…

推し、燃ゆ

芥川賞は自分には難しい 芥川賞を読むのは久々。 毎回思うけど、文学センスが無いので純文学の良し悪しが自分では判断できない。 どの作品も表現の豊さを感じるが、普通に作品を楽しもうとすると少し疲れる。 本作も心情描写が巧みで、よくこんな表現を考え…

心淋し川

「長屋、ついて行ってイイですか?」 普通に見える人でも、それぞれ、いろいろな背景や想いを背負って生きている。 例えば、「家、ついて行ってイイですか?」というTV番組があるが、その辺に歩いている人の家で話を聞くと、ほとんどの人が複雑な環境にいた…

火車 03

新局面を迎えた消費者金融市場(日本総研)https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/jrireview/pdf/6869.pdf この話は1989-1990(H元年〜2年)頃の話だが、消費者ローン供与額はこの頃よりさらに3〜4倍増える。 だが、2006年以降急減。原因は2つ。 …

火車 02

クレジット・ローン破産は公害のようなものだ 多重債務者本人に欠陥があるから、と断罪できない。 交通事故を起こしたドライバーに欠陥があるから、と断罪できない。 トラックの雇い主は? 中央分離帯を作らない行政は? 道を広げられない都市計画は? 安全…

火車 01

いきなり本編と関係ないが、宮部みゆき本は概ね電子書籍化されていないことについて。 「町の本屋を守るため」のような理由を聞くが、パラダイムシフトは起こるものだし、せっかくの良いコンテンツが拡がらないのはもったいないと思うし、逆に本屋へ行けない…

オリンピックの身代金 06

島崎パートがついに同期して、スピード感のある最後の展開はよかった。 プロレタリアート色の強いストーリーの中で、行動を起こす島崎の前に、議論やデモばかりの学生運動はバッサリ斬られていたのは痛快。犯罪はNGだが、現在の左派にも向けられているのでは…

オリンピックの身代金 05

飯場 ja.wikipedia.org 土木工事や建築現場での作業員用の給食および宿泊施設 給与から食費や宿泊費を引かれる ヒロポン www.arban-mag.com ヒロポンは発明者が日本人 メタンフェタミン。覚醒剤。 語源「philo=愛する」「ponos=仕事」で「仕事を愛するよう…

オリンピックの身代金 04

「共産主義っていうと、すぐに〝アカ〟とうしろ指を差されてね、体制側から露骨に警戒されるけど、人間の根源的な幸福を考えた極めて純粋なものなんだよ。共産主義とは、ぼくたちにとって、創出されるべきひとつの状態であって、それに 則って現実が正される…

オリンピックの身代金 03

ヒエラルキーの話でいうと本来上位にいるはずの島崎は、「飯場」ではヒエラルキー下位に属する。そんな展開が続くのは何故かなと、というところでマルクスの話が出てきてこれかと納得。 正直マルクスについてよく分からなかったのでこちらを読んでみた。10分…

オリンピックの身代金 02

なんか島崎の動機が薄いと感じていたが、島崎パートの章は遡っているのか。1〜3: 8/22〜8/304〜5: 7/13〜7/146〜7: 9/5〜9/68〜9: 7/18〜7/2210: 9/911: 8/112: 9/12これが徐々にシンクロしていき、その頃には動機MAXなのかな、きっと。上手な展開。 つづく …

オリンピックの身代金 01

昭和39年、東京オリンピックの時代の雰囲気がよく目に浮かぶ。状況描写がやや押し売り気味だが。 ここ一年、国民全員が日本人であることを強く意識していた。町内会では、町をきれいに見せるために洗濯物を軒下に干さないよう話し合われ、 傷痍軍人の 物乞い…